■全米NBCネットワークで放映された『HEADLINERS & LEGENDS』のインタビューです。
■子供時代
ウィルマ(母):
カロルスは生まれた時、息をしてなかったので危ないと言われたわ。
私たちは貧乏だったけれど、幸せな家族でした。
当時、レイ(父)は、グレイハウンドバスで働いていました。
レイが戦争から戻り、アルコールに依存するようになった後、
家族は困難を抱えていた・・・
カルロス(チャック)は、とてもシャイになってしまった。
私は、いつもポジティブでいなさいと教えました。
チャック:
カウボーイ映画は子供の頃の憧れ、ヒーローだった。
理想の父親のようなイメージだったのかもれしれない。
■青年時代
ウィルマ(母):
チャックは、弟のウィーランドとアーロンにとっては父親のような存在でした。
強く頼もしい息子でした。
■母の再婚の後、チャックの高校時代
ウィルマ(母):
学校でチャックは、シャイでスピーチをするのが苦手でしたが、成績は良かった。
ダイアン(前妻):
チャックは、物静かで優しく、私の周りの友達とは違っていました。
私を好きになってもらえるまで追い掛け回したわ。
優しくてステキな人だった。彼に恋をしました。
■チャック軍隊へ入隊、高校を中退しダイアンと結婚
ダイアン(前妻):
結婚したとき私は、まだ17歳まで後1ヶ月とありました。とても早い結婚でした。
■チャック韓国へ
ダイアン(前妻):
カラテを習っていると手紙に書いてありました。『カラテ?!それ何?』という感じでした。
■帰国後
チャック:
カリフォルニアに帰ってきて、1961年当時、誰も見た事も、聞いた事もない
新しいスタイル、カラテの黒帯を披露した。当時、ダイアンは妊娠していて、家賃やこれから生まれる家族を養うために、
ママと義理の父の家の裏庭で、カラテを教えようと考えたんだ。
■最初の生徒はウィーランドとアーロン
アーロン(実弟):
その当時カラテというものを誰も知らなかったよ。
キックやパンチやブロックを真剣にするスポーツ・・・それにだんだん皆が興味を持ち始めたんだ。
チャック:
ママに言われたよ。どんな困難なスタートであっても、
自分のやりたい道を前向きに模索していれば、成功をつかむことが出来ると。
■1通の手紙
ダイアン(前妻):
ある日カリフォルニアの児童福祉協会のような所から手紙が届き、
チャックは、ある女性の子供の父親で、養育費を払って欲しいと要請が書いてありました。
チャックにどう言う事かと尋ねると、『全て自分に任せてくれ』と言うので、『いいわ』と答えたの。
しかし私は、その事実に打ちのめされました。
ウィルマ(母):
その当時、その子供が男の子か女の子かも知らなかったけれど、
その子は私の孫、毎晩神様にお祈りしました、いつか会わせてくださいと。
■チャック最初のカラテの大会
ダイアン(前妻):
彼は負けてしまったのです。とても悔しかったようで、
ジムに通い始め、その頃から本格的にトレーニングをするようになったのです。
チャック:
スピンキックを何度も練習した。
狙いを定めて相手の肋骨の辺りを回し蹴りするのです。
空手師範リー氏:
彼のキックとパンチは素晴らしかった。
チャンピオンになるには、他の誰よりも優れた技が1つあればいいのさ。
■空手世界大会優勝
ウィルマ(母):
皆で試合を見に行っていました。
優勝の瞬間ウィーランドがチャックを抱きしめている写真があるのです。それを見ると感動します。
チャック:
ブルース・リーとは、会ってすぐに打ち解けた。
空手教室も軌道に乗り、収入が増え、家を買うこともできた。この頃人生は上々だったよ。
■ベトナムでウィーランド戦死
チャック:
私の人生の中で、一番苦しい出来事だった。
彼がベトナムへ出発する日の事を今でも覚えている。抱きしめてキスをし『気をつけるんだぞ』と言ったんだ。
■1972年ダイアンと別居
ダイアン(前妻):
私たちは本当に若くで結婚し、色々なことが起こりすぎました。
口論が増え、このままでは上手くいかないと思ったのです。
■ブルース・リー登場
チャック:
ブルースに『ドラゴンへの道』の出演を勧められたんだ。
コロシアムでグラディエーターと闘うシーンを一緒にやろうと。冗談で彼に『誰が勝つんだい?』と尋ねると、
『もちろん俺さ!スターだからな』と答えていたよ(笑)
■ダイアンに戻ってきて欲しいと哀願
ダイアン(前妻):
子供たちに悪いと思ったの。子供は、両親を選べない。
父親から引き離してしまうのは、可哀想だと思ったの。
エリック(次男):
父は、僕とマイクとの父子関係を、
子供時代の父と自分の父親との関係とは違うものにしようと考えていたようです。
マイク(長男):
地元のカラテ大会に行っては、子供部門に出場していました。
■経済的困難、自己破産目前
チャック:
空手教室を全て売り払い、借金の支払いに当てた。
■空手引退
チャック:
チャンピオンのうちに引退したかった。負け知らずで辞めたかったんだ。
■TV出演など
ボブ・ベーカー:
空手を見たこともなかったけど、
チャックのデモンストレーションに衝撃を受け、レッスンを受け始めたんだ。
■スティーヴ・マックイーン登場
チャック:
『経済的に困難で、金を稼ぎたいなら』と映画出演を強く勧められた。
彼の助言で考え始めたんだ。
■初主演『Breaker Breaker』
チャック:
僕の初主演作品だけど、大した事なかった。
トラックの宣伝ばっかりで、名前もろくに出してもらえなかったよ。
■『Good Guys Wear Black』〜『Lone Wolf McQuade』
ダイアン(前妻):
出演料が入ってきて、生活は楽になってきました。
チャック:
批評家は、とにかくひどかったよ。『最悪の映画だ』とか、
『チャックノリスは演技などせず、自分の得意なカラテの先生に戻れ』と言うようなことまで書いてあった。
ダイアン(前妻):
買い物もたくさんできるようになったし、
子供にも欲しいものを買ってあげられる。旅行にも行けるようになって、この頃生活はとても良くなったわ。
エリック(次男):
スピードボートは、僕もパパも大好きだった。よく一緒に乗りました。
■『Missing in Action』
評論家:
『Missing in Action』は、彼の映画で最も成功したシリーズではないだろうか。
なぜならベトナム戦争に対するアメリカ人の悲しさや怒りの感情を刺激し、心を掴んだからね。
■『Code of Silence』
チャック:
映画で良い評価をもらえるのは、こんなに素晴らしい事かと思ったね。
やっとスターとして認められたような気がした。
■ブッシュの大統領選キャンペーン
チャック:
2週間以上もの間一緒にジョギングをしたりして、彼のイメージを一変した。
■1989年チャックとダイアン離婚
ダイアン(前妻):
心がすれ違っていました。
チャック:
子供達が成長した今、彼女は自分の為に、別の道を進む必要があったのです。
■ディーナからの手紙
チャック:
ディーナは私が離婚してから手紙を書いてきました。
『あなたが離婚されたと聞きました。今ならあなたの事を知りたい。』
ディーナ(長女):
私は手紙にこう書きました。『私はジョハンナ・ブレイディの娘です。結婚しています。27歳です』と・・・
チャックに関する家族の話を立ち聞きしまった10代の頃
どうゆうことか説明してと母に詰め寄りました。
母は全てを語ってくれました。ショックでした。
チャック・ノリスの娘だなんて本当に信じられなかった。
でも鏡を覗いてみて、そう言えば似てる所があるかも、
などと思ったものです。
チャック:
ウィルマに電話して『ディーナから手紙をもらった。ママの近くに住んでるから、会ってきてくれないか』
と頼みました。ママは承諾してくれました。
ウィルマ(母):
ディーナに電話し留守番電話に『私はチャック・ノリスの母親のウィルマです。電話を下さい』と残しました。
ディーナ(長女):
びっくりしたわ。どうしよう!この人は、私がクレイジーだと思ってるに違いない!
私の息子を放って置いてくれ、と言われるに決まってる、と思ったの。
ウィルマ(母):
ディーナから電話があり、彼女の声を聴いた時、泣き出してしまいました。
『あなたの人生を神様にずっと祈っていた。やっとあなたに会えるチャンスがめぐってきたわ』
ディーナ(長女):
チャックに会った時は、夢のようでした。何年も彼に会うのを夢見てきたから。
チャック:
彼女との約束の場所へ行き初めて会った。この日を夢見ていた。
ディーナ(長女):
チャックは本当に優しくて温かい人だった。
私を抱きしめて、腕の中で子供をあやすように揺らしてくれたの。
エリック(次男):
ディーナのことは衝撃的だった。考えもしなかったからね。
マイク(長男):
僕は父を責めることはできなかった。過去に間違いを犯したかもしれないけれど。
ダイアン(前妻):
私はディーナを強く抱きしめました。彼女は間違いを犯した2人の大人の、
まったく罪のない被害者なのですから。
■モニカ・ホールとの交際
チャック:
モニカには友達に紹介された。離婚したばかりで傷心だった私は、
彼女と食事したりするようになったんだ。その後一緒に暮らすようになり、
当時の私の心の空白を埋めてくれた女性だった。
■『KickDrugs Out Of America』
ジョージ・ブッシュ:
このプログラムは素晴らしいと思った。チャックは悪い環境から子供たちを救い出し、
規律を教え、同時に夢や希望を持つことを教えた。
チャック:
国内全体にこのプログラムが広まったおかげで、
学校での暴力や犯罪、ドラッグ、ギャング問題などが急激に減ったんだ。
■『炎のテキサス・レンジャー』
チャック:
最初は正直こわかったよ。映画に突然進出して今度はTV。
それも、かつて誰も成功させたことのなるいジャンルのドラマだったからね。
シリーズ1年目は最も困難な年だった。
アーロン(実弟):
2年目から監督として迎えられて、チャックと僕はまるで双子のように考えが似ているから、
相手が何を求めているかすぐに分かる。とてもやりやすいんだ。
チャック:
ヘイズ・クーパーについて、彼はかなり素手で戦うタイプの男だ。
もちろん、早撃ちのガンマンでもあるしね。
アーロン:
エグゼクティブ・プロデューサーに指名されチャックほど、
人に与える心を持った人はいない。このドラマを最高のものにしたかったんだ。
エリック(次男):
父はセットの誰よりもハードに働いていて、それを皆に求めていた。
それが分かっているから、誰も父ともめる事はなかったね。
マイク(長男):
父は常にプロ意識が強く、ベストを求めている。
たとえ僕が息子であっても、満足のいく仕事ができなければクビだよ。
■『炎のテキサス・レンジャー』の暴力描写問題
評論家オニールさん:
当初、この番組は暴力的な描写が多く、ときに限度を超えている。といわれた。
評論家アダムスさん:チャックはマーシャルアーティストして出演している。
とゆうことは彼は暴力的だということだと見られたの。
オニールさん:
最後の手段として暴力を描くようになってから、彼は体は小柄ながら、
大男を正義感をもってやっつける。
それが実にうまくアメリカ人の心を掴んだんだ。
■モニカとの婚約破棄
チャック:
1日12〜13時間、週に6日も働きづめで、
それが彼女には難しかったんだと思う。
結婚するか番組を降りるかと詰め寄られて関係を見直そうと、彼女に言った。
■ジーナとの出会い、結婚
チャック:
彼女を見て思った。こんなの美しい女性に会ったことがないと。
ジーナ(妻):
初めて会ったときから運命を感じました。
出会ってすぐ、2〜3ヶ月後には一緒に暮らし始めました。
でも彼が1年くらいプロポーズしてくれなかったんです。
■『炎のテキサス・レンジャー』最終回
チャック:
最後のシーズンの頃には、私は疲れきっていたんだ。
ゲイリー・ブラウン:
番組終了後も今後、様々なチャックを見ることができます。
WTRの終了は、単なる通過点に過ぎないんです。
チャック:
私はロッキングチェアに座って、何もせずにいられる性分じゃないからね。
最後の撮影の時、涙があふれてきてスピーチを短くせざるをえなかったよ
泣き崩れてしまいそうだった。
ジーナ(妻):
チャックはチャンピオンよ、空手と同じように、
ウォーカーもチャンピオンのまま終えようとしたのだと思います。
チャック:
自分の人生の中で8年も続いていたことが、突然終わってしまうのは、寂しかったよ。
■関係者から見たチャックの印象
ジーナ(妻):
彼は少年のようよ。若くいることをためらわない、そこに惹かれています。
ダイアン(前妻):
彼は親切で愛すべき人。間違いを犯すけれど人間味がある。素晴らしい人です。
評論家オニールさん:
チャックノリスの魅力とは、映画の興行成績やTVの視聴率などでは計り知れない。
今後、彼のビデオをレンタルし、TVの再放送を見続ける
普通のアメリカの人々によって、評価されるでしょう。
評論家アダムスさん:
チャック・ノリスは夢を与えることのできる人物。
ほとんどの俳優ができないことです。マーシャルアーツから得た自分への自信がそれを助けています。
■チャックからの言葉
チャック:
人生には様々な困難が待ち受けている。
でもその先のゴールに向かって、常に困難に立ち向かい、
打ち勝つことが大切だと自分の人生で学んだんだ。
今は何もかもここにある。妻と子供たち。9人の孫たち。
これ以上何を望めるだろう。
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